CPM®(米国不動産経営管理士)
CPM®(米国不動産経営管理士)って何だろう?
CPM®はどんな資格なのか?
CPM®(Certified Property Manager: サーティファイド・プロパティ・マネージャー)は、IREM(全米不動産協会:本部はシカゴ:日本支部はIREM JAPAN)が管理している資格であり、米国では80年以上の歴史があります。プロパティ・マネージメント(資産管理)を行う為の資格で、日本語で言うなれば「不動産経営管理士」となります。プロパティ・マネージメントの「最高峰の資格」と言われており、世界十数か国で普及しています。
米国では「不動産を買う前に優秀なCPMを買え」と言われているほどです
日本では、不動産業界で活かせる資格として国家資格である宅地建物取引士が有名です。しかし、世間では、不動産業界は怖い…不透明な部分が多い…そのような声をよく耳にします。また、変わりゆく時代…不動産業界もグローバル化されていく中で、国家資格だけで変化する時代に追いていけるのか…
CPM®は、不動産のプロフェッショナルとして業務に関する知識はもちろん、プロパティ・マネージメントの責務である「経営的管理」を学ぶことができ、顧客対して誇れるサービスを提供することができますまた、世界的に普及してきており、世界共通、業界のグローバルスタンダードを実現できる資格です
具体的には、「オーナー(顧客)利益の最大化」の為に、様々な指標(不動産投資評価手法、DCF法など)を分析し、運用計画書やマネージメントプランを作成し「価値の最大化」を図ります
資格取得には、一定の実務要件を満たし、IREMが定める教育課程(約半年)を履修し、2日間(15時間)に及ぶ最終試験(MPSA試験)に合格する必要があります。
宅地建物取引士のような独占業務はありませんが、「オーナー(顧客)利益の最大化」を目的に、倫理やコンサルティング業務を幅広く学び深い知識が得られる資格です。また、多くの同じ志を持った同期やホルダーの皆さんと交流することができ、県内のみならず全国各地に仕事の幅が広がります
ここでは、各科目(必修科目)を簡単に解説しておきます
①不動産管理士のための倫理(ETH800)
②不動産管理士のための財務計算と戦略の理解(FIN402)
③不動産のメンテナンスとリスクマネジメント(MNT402)
④不動産管理士のための人材管理戦略の開発(HRS402)
⑤不動産管理士のためのマーケティングとリーシング(MKL405)
⑥不動産資産の融資と評価方法:第1部(ASM603)
⑦不動産資産の融資と評価方法:第2部(ASM604)
⑧不動産資産の融資と評価方法:第3部(ASM605)
⑨CPM®検定
⑩MPSA試験(最終試験)
※IREM JAPAN 公式HP
①不動産管理士のための倫理(ETH800)
まず最初に学ぶのが「倫理」です。IREMは、不動産管理の職業団体として、不動産業界のあらゆる領域と協力し、一般社会の利益を守り高めようとしています。そこで、不動産管理の専門家の正直さ、誠実さ、専門家としての意識、能力に対する一般社会の信頼度を高め、維持するために、「倫理規定」(序文から始まり14の条項)を定めています メンバー(会員)はこれを遵守しなければなりません。倫理規定に反した場合は厳しい罰則(懲戒措置)も設けれています。授業では、様々な事例を用いて各自の考えを問われます。。 また、ホルダーからの声を聞くこともでき、不動産業界に従事するものとしての「基本」を再認識させられる科目です
②不動産管理士のための財務計算と戦略の理解(FIN402)
FIN402では不動産管理における財務知識を幅広く学びます不動産管理士として、オーナーの目標(それぞれで違うので、正確なヒアリングが求められる)を達成する為に物件の長期的な計画(予算や財務など)を立てなければなりません。予算、キャッシュフロー、運営費、収益性、市場価値、融資(ローン)…様々な分析をしますそして、多くの指標(GPI、NOI、ADS、BTCF、LTV等々)を勉強します
また、ここでは金融電卓(10BⅡ)の使い方も学びます この金融電卓…少し使い方はややこしいですが、かなりの優れものです。(笑)
オーナーの利益を最大化するには、「物件の価値」を上昇させなければなりません。
この科目は、CPM®知識の基本となるので非常に重要な科目と言えます
③不動産のメンテナンスとリスクマネジメント(MNT402)
物件にはどのようなリスクが存在するでしょうか?そのリスクにどのようにアプローチしていくか
不動産管理士として、「オーナーの目標」を達成させるには適切な「物件維持(管理)」は不可欠です。
現状の運営費は適切か、管理のプログラム(マニュアル)は確立されているか、各設備の特徴は理解しているか、起こった問題(リスク)はいつ改善(緊急性が高いのか)するのか…
管理士は物件をよく分析し予見することで、最適な対処(アプローチ)しなければなりません。
MNT402では、物件に関する細かい知識も学ぶことができますグループに分かれディスカッションもします
「物件の価値」を上げるにはメンテナンスとリスクマネジメントが非常に重要だと気づかされます
④不動産管理士のための人材管理戦略の開発(HRS402)
⑤不動産管理士のためのマーケティングとリーシング(MKL405)
⑥不動産資産の融資と評価方法:第1部(ASM603)
⑦不動産資産の融資と評価方法:第2部(ASM604)
⑧不動産資産の融資と評価方法:第3部(ASM605)
⑨CPM®検定
⑩MPSA試験(最終試験)
いよいよ、最終試験のMPSA試験 試験内容は論文形式。与えられた問題(条件)を分析し、オーナーの目標(利益の最大化)を達成するために、どのようなアプローチをするのか、その結果(目標は達成されるか)はどうなるのかをレポートにまとめて提出します。試験では、これまで学んだ知識を問われるのはもちろんですが、論文形式ですので、文章力(如何にオーナーにわかり易く伝えるか)も必要です
1日目は9時~17時(ランチ休憩1時間あり)
2日目は9時~17時(ランチ休憩は自由)
合計15時間 特に2日目はランチ休憩は一応自由ですが、そんな時間は取れない状況なので軽食が用意されています。(笑)
合格点は1000点満点中700点以上(足きり科目あり)
本当に疲れます…当然ではありますが、最後の山場となる試験でした