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【賃貸経営】所有物件に退去が出た…空室の部屋作りについて
2021-02-22
カテゴリ:賃貸経営
工事内容の違い
賃貸市場は繁忙期の真っ只中ですね 賃貸経営において、退去が出た際に必ず必要になるお部屋の工事
皆さんはどのような流れで部屋作りをしていますか
原状回復工事にとどめるか?リノベーション工事をするべきか?今日は、よくオーナーから質問される退去後の『空室の部屋作り』について書いていきます
■原状回復工事は『元の状態(入居前)に戻すこと』
入居前に交わした賃貸借契約に基づき、通常通りの使用しながら生活を送る中で生じた傷や汚れか否かによって、費用負担(貸主・借主)が変わってきます。貸主負担となる工事の具体例は、冷蔵庫の裏面の黒ずみや家具の跡がついた床のへこみ。経年劣化による設備の修理や交換が挙げられます。一方、喫煙によるクロスの汚れ黄ばみ、定期的な清掃を怠ったことによるカビなどの汚れは入居者負担で原状回復工事をすることになります。
■リノベーション工事は『部屋の価値をグレードアップさせること』
賃貸業界が取り巻く環境は変化が大きいです。入居者ニーズも多様化してきています。建物の建築当初は最新(流行り)だったお部屋、設備も今となっては古めかしいものになっていることがよくあります。リノベーションは入居者ニーズにマッチした設備やデザインにすることで、部屋の価値を高めることになります。具体的には、和室を洋室に変更し広いLDKにする。また、浴室に浴室乾燥機能を追加したり、インターフォンをTVモニターフォンに変更するなどが挙げられます。
工事の目的を考える
賃貸経営において、オーナーの最大の悩みと言っても良い『空室』。退去後の工事内容(判断)に問題があるケースも多くあります 退去後の工事は当然『費用(コスト)』がかかります。何とか安く仕上げる方法はないか。むしろ、そんなに汚れていないから工事しなくていいのではないか。目先の費用(コスト)に囚われた、安易な判断は『空室を生む原因』となりかねません。そもそも、退去後の工事『目的』は何でしょうか それは…
①お部屋の価値の維持・向上=物件(資産)価値の維持・向上
②成約率の向上=空室損の改善
③年間CFの向上=収益の最大化
となります。物件は当然、築年数の経過と共に劣化していきます。その劣化に歯止めが効かず、物件(資産)価値が下がり、成約率が低下…年間CFは悪化する 悪循環に陥ります 退去後の工事の『目的』を明確にすることは、適切な判断を下すために大事なことと言えます。
市場ニーズ(入居者ニーズ)にマッチした部屋作り
目的をハッキリさせた後は、具体的な部屋作りです。大分県の賃貸物件の空室率は20%を超えてきました。今後はますます、空室率は悪化すると言われています。この空室のままになっている部屋のほとんどが市場ニーズ(入居者ニーズ)にマッチしていません よくオーナーから耳にする内容として、「管理会社の言う通りに工事(通り一遍)した」「私たちの時代はこんな設備なかったから…」「今までこの内容で工事して空室にならなかったから大丈夫だ」
ここで少し話を変えますが…皆さんは「ワークマン+(プラス)」を知っていますか?大分市にもついに進出(出店)されましたね 元々、「ワークマン+(プラス)」は「ワークマン」として建設業界向けの作業服を売っていた会社です。皆さんはひと昔の作業服にどのようなイメージを持っていましたか?機能性は良さそうだけど…デザインがかっこ悪い。そんなイメージがある方は少なくないと思います。ただ近年はデザイン性を重視した商品を開発し成長を続けています 企業としてこれまでの固定観念にとらわれのではなく、成長戦略を打ち出しました。その成長戦略一つがマーケティング戦略(分析)と言われています。「ワークマン+(プラス)」はただ単純にデザイン性を重視した商品を扱っているのではありません。それは「客層(ターゲット)」を変えた(厳密言えば加えた)のです。これまでの建設業界に向けた「作業員(プロの客)」と、ニーズ(需要)が高まりつつあったアウトドア業界に向けた「一般客」に変えた(取り込んだ)のです
話を戻します。既に大分の賃貸市場でもマーケティング戦略(分析)が必要になってきています では、どのような部屋(物件)がニーズにマッチしているのでしょうか
それは市場を細分化し、自分の部屋(物件)に合った(合わせた)潜在的な顧客(ターゲット)に向けて部屋を作ることです
①近隣エリア(物件所在地)の特性…単身者が多いのか?ファミリーが多いのか?学生が多いのか?
②競合する物件の特性…ライバル物件の家賃(相場)、設備、デザインは?
③自社(物件・部屋)の強み・弱み…自分の物件(部屋)が市場より、優れている(強み)点は?劣っている(弱み)点は?
④既存入居者の属性…今までどのような人(入居者)に好まれてきたか?
項目ごとに現状を整理することで『潜在的な顧客(ターゲット)』が見えてきます そのターゲットに向けた部屋を作る為に工事内容を判断していきます
しかし、ここでやってはいけないこともあります
①自分(オーナー)好みの部屋を作る(ニーズにマッチしていない可能性が…)
②費用をかけすぎる(費用対効果)
③入居者にとって危険となる破損、劣化箇所の工事を怠る(メンテナンス不良)
これは、前述した工事の『目的』にそぐわない結果となります。注意しましょう